
その日、識者の館に荷物が届いた。
受け取った荷物をなんとなく
「あれ……何? そのダンボール」
「今朝届いた荷物だよ」
「荷物? こんな所に?」
一体誰がと、
その途端に露骨に嫌な顔をする
「
その
「不吉なものが届いてなきゃいいけど……」
そう言ってダンボールを開封する
「何これ? 荷物? どこからですか?」
「――管理局から」
それを聞いた
「碌な物じゃない気がしますね」
「だよね」
それに同意して中を検める。
中には……
「服……」
それを手に掴んで広げて見る
そして
「これ……前にも貰った気がするんですけど……」
「奇遇だね。僕もそんな気がするよ」
ダンボールの中に入っていたのは青い服、赤い服、白い服、緑の服の四色だった。
「ああ、でも前よりヴァージョンアップしてるね」
「どこが変わりました?」
「ほら、通信機が帽子部分に内蔵されてる。前は無かったでしょ」
「ああ、本当ですね。これなら頭の輪っかもいらないんですね」
それはあっけなく外れる。
これは神がみんなつけている通信機だ。
無いと困るのでみんなつけている。
「この服何なんだ?」
「これは聖例会議の時とかに身に付ける正装です。その人によって色が違いますがデザインは一緒ですよ。正式な場所では身に付けなければならないんです」
「人によって色が違う……?」
「はい」
「じゃあ、この荷物って
「私と
「
「そういえば……そうですね」
だが、上と言うか…………管理局にはバレバレらしい。
「でもどうして一介の神でしかない
「僕の付き人だからじゃない?」
「ああ…………そうかもしれませんね」
そんな
「
「わかった」
それを手に取る
「管理局から?」
「はい。やっぱり正装を新調したから送りつけてきたみたいです」
「それ以外に理由ないよね」
「そうですね。それと、
「はい。何ですか、
「これから正式な場所に行く時や、死神の仕事をする時にはその服を着て行うようにしてください」
「これを?」
「ええ、なんでも、
「わかりました」
「
「はいはい」
そう返事をすると今度こそ
「着てみます?」
「着なくてもぴったりだと思うけど?」
「でも折角ですし」
盛大に溜息をつく
「まあ…………届いた荷物が唯の服だったから良かったのかな」
「もっと厄介なものだったら……」
「言っておくけど、今の僕には何も出来ない。向こうも
「そうなったら私が全力でサポートします」
「サポートじゃなくてメインでやってよ」
「…………努力します」
「努力じゃなくて普通にやってよ」
室内に
今日も識者の館はわりと平和だ。
2007年6月7日に日記に掲載したもの。
話としては
[第二十一話:
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――