
「暑い〜」
だら〜とテーブルに突っ伏しながら不満を口にする
確かに暑いが、そんなに声を大にして言われると見ている方が暑苦しく感じる。
「暑いのはいつもだろうが」
今日は特別気温が高い気がする。
「それにしても、どうしてこの識者の館は暑いんですか?」
ここには季節なんてないんじゃないだろうか……
少なくとも、
「ここは特異点ですからね」
いつも誰かと話をしているといつの間にかいる。
それが
「特異点が何か関係あるんですか?」
「気温が上がる事はあっても氷点下になったりしないでしょう?」
暑くはなっても、寒くはならない。
「気温が上昇するのは一定周期でこの特異点の力がかなり高くなるときがあるからです」
「だから暑さはどうにもならないんだよ〜」
ぐてーっとしている
だが見る限りとても忍耐力があるようには見えない。
「暑い〜」
余計に暑くなるから連呼するのをやめて欲しかった。
「
非常に嫌な予感がしたが、無視するわけにはいかない。
こんなんでも上司だ。
「なんですか?」
観念して返事をする。
「何か冷たいもの持ってきて」
いつものように無理難題を押し付けられるのではないかと思っていたが、今日はそうでもなかった。
「じゃあシャーベットでも持ってくるよ」
「何味?」
「――…………確か…………白ワイン……」
お酒大好きな
「早く持ってきて」
予想通り飛びついてきた。
「はいはい」
2007年7月14日に日記に掲載したもの。
話としては
[第二十三話:
識者の館は周期的に猛暑になります。
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