今日は昇格試験。
 毎日毎日、地獄のような日々を過ごしてきた。
 それも全ては今日のため。

 ここに何度も来るけれど、いつもダメだった。
 何度来たのか、そんな事はもう忘れてしまったけれど……

 どうしてだろう……今日は大丈夫な気がする。

 それはあの人たちのおかげなのだと……わかっている。
 毎日勉強を見てくれた……

「行こう」

 無駄にはしない。
 このまま止まったままではいられない。
 そんなの……わかっている。
 そう……あの人が教えてくれたから……

 きっと、大丈夫――







 二週間後――
 俺は試験結果の通知を握りしめた。

「よかったね」
「おめでとうございます」
「今日はお祝いですね」

 ――そう、俺は試験に合格した。
 やっと……
「じゃあ、緋燿(ヒヨウ)、行っておいで」
「ああ、行ってくる」
 俺は通知をしまい、識者の館を出た。
 向かう先は管理局。
 合格者は管理局でリミッターを外してもらう。
 そこで青い翼になる。
 そうすれば俺は正式にAランクの死神になれる。

 やっと、Aランクの神になれた。
 勉強を教えてくれた人たちに、感謝してもしきれない。