
物凄く憂鬱そうだ。
そしてその視線は
その
「いいよね、
心底羨ましそうな声で言う。
「
「はぁ……」
そしてまた露骨に溜め息。
「僕が
「
「わかってるんだよ。わかってる……仕方のないことだって……
でもねぇ――」
割り切れないことは誰にでもあるだろう。
「昔出来ていたことが全く出来ないのって偶に不便だなって感じるんだよね」
「そうですね……
「
「
本人が答える前に
「昔はついうっかり使っちゃってよくぶっ倒れたりしたなぁ……」
「……あれは
「うん」
「あの頃は心配過ぎて
「使えないの忘れて使っちゃったりしたからね。慣れるまで数ヶ月かかったなぁ……」
なんか、とても懐かしそうだ。
「
「道端で倒れているのを見た時は心臓が止まるかと思いました」
「寝た記憶がないのに気が付いたらベッドの上だったってことがしょっちゅうだったしね」
「特異点に来てからは調子もよくなってきたようなので多少安心は出来たんですが……」
「……そうだね……たとえここから動くことが出来ないとしても……」
「……なぁ」
「何?
「
前聞いた時、確かにそう聞いた。
「それももちろんあるよ。僕ちょっと特殊な一族の生まれだからね」
「神の力を増幅させられる?」
「そう。でもそれだけじゃない。ここは僕の力も上げてくれる。だから――」
「今よりもっと弱っていた
「ここから離れてずっと暮らすことは今の僕にはきっと無理なんだよ」
「それは――」
「きっと……身体が持たない」
前に、
確かに……そうみたいだ……
「ふふ……ここから出られないのに……力が回復するはずなんてないのに……未だに捨てられないんだよね」
……?
「神であることを――」
…………は?
「神術が使えない僕は神と呼ぶには値しないのに……」
「
「愚かだよね……わかっているのに……無駄だと…………識っているのに……失くしたものは戻ってこないと…………理解しているのに……僕は――」
何も…………言えなかった。
いや、何を言っても、
きっと、