
「へぇ〜、大変」
要するに新聞だ。
世捨て神のような生活をしている
でもこの神界タイムズ、
管理局は余程
こんなものを送りつけてくるのだから。
新聞は別に送ってきてもあまり気に障ったりはしないようだ。
毎日普通に読んでいる。
そんな
「最近は犯罪者が増加中か……」
「犯罪者が?」
「世の中物騒になって来ましたね」
これまた然程気にしているようには見えない
「地獄が大きくなってるみたいだよ」
「じゃあ
「かもね」
「
「
「はい。ボクはここに修行しに来ているだけなので……」
「そっか……」
そしてあっさりと言い放った。
「じゃあ行ってくる?」
「え? いいんですか?」
「うん」
おいおい……そんなに簡単に許可していいのか?
だって
「でも一人だと心配だから
そう来るかっ!
「いいですか?」
うぐっ――
断りたい……
とてつもなく断りたい……
だが――
「わかりました……」
俺に断る権利など最初から存在しなかった。
こうして俺は
初めて地獄に来たけど……
暗い上になんかおどろおどろしい所だな。
なんか悲鳴とか聞こえるし……
俺は内心ビビりながらも
そして一つの重厚な黒い扉の前に着いた。
これは見覚えがある。
この扉は統轄神の執務室の扉だ。
勿論葬送部にもこれと同じ扉がある。
色は紫色だが……
コンコン。
「失礼します」
そう言って
ごくり……
この奥に……地獄と審判の神、
そして中に入ると――
「なんじゃ……また書類か? 書類なら――」
ギン――と全てを射抜くような鋭い眼差しでこちらを睨んだ。
はっきり言って……怖い。
「なんじゃ……
ペンを走らせ書類に目を戻しつつもそう言った。
「はい、
「今は見ての通り忙しい。そなたに構っている暇なぞないぞ」
「はい。だからお手伝いに来ました」
「そなたが?」
微妙な顔で
そりゃそうだろう。
「うむ。そう言えば横の死神は何だ?」
「
「ああなるほど……そなたも――」
落ちこぼれか、という言葉が聞こえてきそうだった。
「始めまして
「ふむ。そうか……」
じっとこちらを見ている
「よかろう。ここに来たのだ。ただでは帰さん」
実際目の回るように忙しいしな……と不敵に笑った。
「ぼろ雑巾になるまでこき使ってくれる」
鬼だ……
鬼がいる……
そして俺は言葉の通りぼろ雑巾になるまでこき使われた。
今回、わかったこと……
そして、
俺はぼろぼろで今すぐにでも休みたいのに
何故――
あれだけ働かされて元気なのか……
制裁部に所属する神は体力が人並み外れていなければならないのか?
そんなことを思いながら識者の館に帰った。