
がっしゃーん!!!
派手な音が館に響く。
だが、最早これも聞きなれた音だ。
きっとまたいつものように
そう思ってリビングに行くと予想通り
それを微笑ましく見ている
「ああ、またやってしまいました……」
そう言って
ベシャ――
そしてまたコケる。
でも
生傷が絶えなさそうな所業を毎日している割に怪我をしているのを一度も見たことがない。
……
そう思っていると今度はゴミ箱をひっくり返していた。
……このドジははたして治るのか?
この天性ともいえるドジが治るようにはとても見えない。
――大丈夫なのか?
片付けようとしてさらに散らかしてしまっている
そして散乱している皿をまず集めて木の器に入れる。
後は散らばっているゴミをゴミ箱に戻すだけだ。
「――これでよし」
それから皿の破片を入れた木の器を
「お願いします」
「いいよ」
軽くそう返事をするといつものように割れた皿を元に戻してくれた。
食器を補充しに行かなくても良くなったのは利点だ。
「はい」
終わった皿を貰い、シンクに置きに行く。
これは当然洗わないと使えない。
「ごめんなさい……」
――シュンとしている
そんな顔をされるとこちらが悪い気になってくる。
「全く気にしてないから平気だよ」
後ろからそう声が聞こえた。
確かに、
別に皿が割れても部屋が汚れても片付けるのは俺であって
「確かに、ここでいくら失敗しても咎められることはないね」
「ここは不変の秩序だからね……」
稀に
偶に、俺はここに居るべき存在ではないという気にさせられる。
ここは一体何だというのか……
「
「はい」
「無理に変わらなくていいよ」
「
「無理は必ず後で付けがくるから……」
そう言った
「そう――」
「気にしなくても大丈夫ですよ。ちゃんと成長してますから」
「そうだよね。前より転ぶ回数減って来たし……」
言われて考える。
確かに最初よりは……減った…………か――
「そうですか?」
「そうそう」
「大丈夫」
こんな感じで毎日が過ぎてゆく。
今日も平和(?)なのか……