
「久しぶりだな」
そう言って現れたのは見覚えのある女性だった。
以前、制裁の扉が開いた時に手を貸してくれた人だ。
彼女は確か執行部の粛神だったはず――
――と、いうことは……
「
「その通りだ」
ぴしっと姿勢を正して立っている姿は光黄さんとは比べ物にならないほど立派だ。
「政務官や警務官に頼んでいたのでは日が暮れる」
それは……
彼女では絶対に無理だ。
そう確信がある。
だが、この女性なら引き摺ってでも連れて行きそうな気がするのは気のせいだろうか?
だって、なんか……無駄に男前だ。
女性に対して失礼かもしれないが……
なんというか……カッコイイという言葉が合いそうな人だ。
「こちらへ」
今回ばかりは駄目なんじゃなかろうかと思いつつ
「さあ、仕事に行きますよ。
開口一番そう言い放った。
それを聞いた
「
「今回はちゃんとした人選だね」
他人事のように
「書類が溜まりに溜まっています。逃げようなどとは思わないでください」
「ああ、いや、えっと……」
「さぁ、こちらへ」
がしっと
そして翼を広げて飛び立つ。
「ちょ、ちょっと待ってくだ――」
「言い訳は聞く必要はありません」
凄い。
その一言しか出なかった。
「
何があっても見逃さないだろうと言う。
確かに、そんな感じがした。