
俺はあの事が気になって仕方がない。
だが、迂闊に尋ねると
どうするべきか……
でも気になる。
これからも同じような事があった場合、どうするべきなのか……
俺は
そして
それを見た
「今日は随分豪華だね」
「そうだな」
「ふふ…………聞きたいことがあるようだね」
……見抜かれてる。
「あの愚者のことでしょ」
うっ……
また気分を悪くするのだろうか……
「いいよ。教えてあげる」
良かった。今日はそんなに機嫌が悪くないようだ。
「このワインに免じて」
…………
「あれは…………ここに来る人は一体何なんだ?」
「あれはね……妄執や欲望に塗れた愚かな人間の末路」
「そういう人間は何をするのか分からないところ、あるでしょう?」
そういわれても俺にはわからない。
「そういう人間は怪しい儀式を行い、根性でここに来るんだよ」
そんなことで神界に来れるのか!?
俺はそちらの方が驚きだ。
「ここにはそういった魂が辿り着く」
「どうしてここに?」
この広い神界でどうやってここに来ることが出来るのか?
「ここは特異点だからね。そういうのが集まりやすいんだよ」
なるほど……
「そういう愚者は執行部か制裁部に引き渡さないといけないんだけど、これがまた面倒なんだよね」
愚者の魂五月蝿いしと
「それにここからだとどっちも遠いから
それは……………………イヤだな。
「だから
それがあの極彩色の扉か――
「正式名称は“制裁の扉”。
あれが出来たおかげでみんな楽になったよ。
粛神と鬼神を派遣しなくて良くなったし。
どうせこんなところに来る魂は地獄逝き決定だからね。あれ開けて放り込んだ方がお互い楽できて良いんだよ」
この前見たように極彩色の扉――制裁の扉を開けて問答無用で放り込み、扉を閉めて終わりなのだろう。
「
確かに、あれは疲れるだけだ。
「制裁の扉はここに来た愚者を地獄に落とすためだけにある」
伊達にあるわけではないということか……
何であんな物騒なものがあるのかと思っていたが……
「人の欲は限がないから、これからもあるだろうけど――」
露骨にウンザリとした顔をする。
「どうしてあんな罪深きものを作るのか……」
それは確かにその言葉通りのものだ。
「この話はこれでもうお終い。
これ以上話してもワインが不味くなるだけだしね」
そう言って話を切った。
確かに知りたいことは知ることが出来た。
これ以上聞いても何も出てこないだろう。
ここにいる限り、俺もあれの対処をしないといけないのかと思うと、ウンザリしてきた。