今日も疲れた……
 ふらふらしながらベッドに倒れ込んだ。
 相変わらず碧風(ヘキフ)様は容赦がない。
 そして途中から普段の言葉遣いが抜け落ちる。
 そこからが怖い。
 容赦がなくて――
 人が変わったように言葉で容赦なく責め立てる。
 あれはこうだ、それは違う――
 何度その手に持っているスリッパで殴られたことか……
 ちなみにそのスリッパは何かいいツッコミ道具がないか聞かれた蒼氷(ソウヒ)が渡したものだ。
 渡してくれたのがまだただのスリッパだったため救われたが……
 これがもう少し殺傷力や打撃力が高いものだったら俺の身体が持たなかっただろう。
 もう寝なければ……
 明日に備えて……
 明日は……




 気が付いたら朝になっていた。
 やはり疲れているといつの間にか眠ってしまっているものだ。
 そして気を引き締める。
 なんせ今日は――
 昇格試験!!
「じゃ、頑張って来るんだよ」
「教えたことをしっかりと思い出して下さい」
「落ち着いてやれば大丈夫です! きっと!!」
 みんなからそう言われ送り出される。
 年に一回の昇格試験……これで駄目なら来年まで待たなければならない。
 絶対合格しなければ……
 落ちたら後が怖い……
 それに…………そうしなければ俺のためにわざわざ時間を割いて教えてくれている碧風(ヘキフ)様に申し訳が立たない。
 そう意気込んで試験を受けるために教学部に出かけた。




 試験会場。
 今年もたくさんの神が試験を受けに来ている。
 蒼氷(ソウヒ)の所にいると忘れがちだが、神はたくさんいる。
 俺が来たのはもちろんAランク試験の試験会場だ。
 そして葬送部の場所に移動する。
 これから…………始まる!!
 気を引き締めて割り振られた講義室に向かった。




 そして二週間後――
「全く、ダメな子だね〜」
「だ、大丈夫ですよ、次があります!!」
「来年の試験までみっちり勉強ですね」
 ……そう、俺は試験に落ちてしまった。
「このままでは駄目ですね」
 キッパリと言い切られた。
「しょうがないなぁ……まぁ、最初から僕が頼まれた仕事だからね」
蒼氷(ソウヒ)も教えてあげるんですか?」
「僕がちょっと専門的な事を教えてあげる。だから、基礎は碧風(ヘキフ)白雲(シユク)に教えてもらうこと」
「ふふ……手加減はしません」
「一緒にがんばりましょうね」
 ……明日から大変になりそうだ。
 自業自得なのだが――