
ドンドン!
ちょっと乱暴なノックの音が響いた。
その音を聞いて俺はエントランスホールに向かった。
今までこんな乱暴なノックをする人物はいなかった。
一体誰だ?
そう思いながら扉を開けると――
「遅いぞ、さっさと開けんか」
俺は顔が引きつるのを感じた。
今、俺の目の前にいるのは仁王立ちしている
「お、お久しぶりです……」
「そうじゃな。して、いつまでわらわをこのような場所に立たせておくつもりじゃ?」
遠慮がない。
だが、それを批難することなど出来ない。
「どうぞ」
俺にはこの台詞以外、出せるものはなかった。
「うむ」
とりあえず何をしに来たんだ?
「今日はどのような御用件で……」
「
なるほど。
俺は
テラスには当然、
今日は休みだった
それを見た
「おお」
「
「久しぶりですね」
「御機嫌よう、
「うむ、久しいのぉ」
そう言って三人の近くに行って座った。
俺は
今日は一体どこで何をしているのか……
そう思って、下に下りると、また微妙な臭いがした。
はっきり言おう。
確認などしたくない。
したくないのだが……
俺は恐る恐るキッチンに向かった。
そこにはやっぱり怪しげなものを作っている
「し、
「あ、はい。クッキーです」
クッキー? どこが――!?
そこに積み重なっているのは赤や緑のマーブル模様や黒や青の恐ろしい色彩の物体だった。
クッキーということは……茶菓子にでもするつもりなのだろう……
俺は思わず一歩下がった。
だが、ここでそんなことをいつまでもしている場合ではない。
「今、
「えっ! 本当ですか!?」
「ああ」
俺がそう言うと
あれ……出すのか……?
そう思って俺は
「お久しぶりです、
お辞儀をして手に持っている物体を差し出している。
「うむ」
それをじっと見ている
「相変わらずじゃな」
そう言って平然と…………食べた。
………………やはり
あんな見るからに食欲が失せるような物体でも、偉い神様にとってはなんの障害にもならないということだろうか?
俺は、何故
ようするに周りにいる人たちは毒を浄化できる偉い人たちであったために誰も注意しなかったのだろう……
偉い神様は一癖二癖は当たり前なのだろうか……
ちょっと泣きたくなった……