
歴史は繰り返される。
過去、幾度もあれを倒すために神たちが死力を尽くしてきた。
今も――
それを見つめていた
「
「はい、勿論です」
そう返事をするとそっと手を差し出した。
「わたくしには倒す力も、止める力もありませんから」
「
「ああ、
つくづく
「
「
「私たちも行きましょう」
「そうだね。後ろから回り込もう」
二人の後を続くように
束縛の光は標的との距離が近ければ近いほどより強く相手を縛る。
だからこそ、より近くで動きを止める必要があるのだ。
そのために、
俺も邪気に耐性があれば――
その思いが消えない。
そうしたら、せめて一緒に陽動が出来たというのに――
紫色の光が迸る。
二人が束縛の光を放ったようだ。
その
その瞬間、物凄い衝撃波が襲った。
「たくさんあったから両目に入った。随分と効いているみたいだね」
「うむ。でなければこれほどの力を放ったりはせぬだろう」
「
「行くよ。力は十分練り込んだ。後はあれに直撃させるだけ――」
「ではわたしたちも行きましょう」
「囲みこんで攻撃します」
「うむ」
「はい」
「了解」
バサッ――
こんなに遠くにいるのに、邪気が――
息苦しい――
でも、目をそらすことなど出来ない……
何も出来なくても……いや、何も出来ないからこそ……俺は――
目をそらしたくなかった。
「逃がさない――!!」
そして、真っ白い光が視界を覆った。
目を開けていられないほどの光の洪水……
それでも、視線をそらすことなく見つめる。
邪気が強くなる……
次の瞬間、耳を塞ぎたくなるような音が響き渡った。
「グォォォオオォォオオォォォォウウゥゥゥゥゥゥゥ…………!!!!!」
苦しい……
「ごぼっ――」
べっとりと血が出た……
これほど強い邪気を……これを野放しに出来ないと言った
これを放置すれば、世界は終わる。
いつまで続くか分からない神と
見えないからどうなっているのか分からない……
でも、信じたかった。
倒せると――
そして急に身体が軽くなった。
「邪気が……消え…………た……?」
そう思って目をこらした。
光はゆっくりとおさまっていく。
黒い竜の姿は――――ない。
「終わ、った……?」
静かだった。
そして、空気は澄んでいた。
ああ、終わったのだ……
そう、心にストンと落ちて来た。
長い夜が、終わった……