
コンコン。
ノックが聞こえてエントランスに向かった。
「はい、お待たせしました」
そう言って扉を開けると、見覚えのある女性がいた。
忘れもしない。
以前、
「
「はい、あの……お久しぶりです」
彼女が来たという事は……
「また
それを聞いた彼女は頷いた。
でも……以前も思ったが……
「無理なんじゃ――」
慌てて口を塞ぐ。
うっかり声に出してしまった。
そして光輝さんを見る。
彼女は笑っていた。
気分を害したようには見えない。
無理をしているだけだろうか?
俺は彼女については全く知らないので判断しかねた。
「わかっています。アタシには無理な事は――」
「じゃあなんで――?」
「ああ〜、その……」
「こういうのは政務官や公務官の仕事なんじゃ……?」
間違っても肉体派の警務官の仕事じゃない。
「……
それは、わかる。
「連れ戻すのはとてつもなく苦労すると誰もがわかっているんです」
あ〜、これはつまり――
「押し付けられた?」
彼女はとても押しに弱そうだ。
周りに言われ断れなかったのだろう。
だが、こんな彼女にあの、
執行部の人たちは本当に
俺には考えてもわからないことだ。
とりあえず――
「
彼女だって何もしないまま帰るわけにはいかない。
だが、やはり、
執行部ももうちょっと人選を考えるべきだ。