
ガッシャーン!
今日も勢い良く皿を割る
あー、今日でもう十枚目だな……
俺はそう思って戸棚を見た。
隙間が多い。
そろそろ皿が足りなくなってきたな。
買いに行かないとダメか……
でも行くとなると
ありがたいけど、荷物持ったままコケるからなぁ……瀬戸物は持たせられないし……
だからと言って無下にあしらう訳にもいかないし……
「へぇ……ゴミ箱がお皿の破片で満載ですね」
「ああ、だからそろそろ皿を買いに行こうと……」
俺はそこでハッとした。
この家に俺を含めて三人以外は住んでいないし、無防備に見えて一応結界と鍵がかかっているので不法侵入も出来ないはず……
だが、俺の後ろに何の気配もなく立っているのは声と口調からして明らかに
俺はゆっくりと後ろを振り向いた。
なっ――
俺はびっくりして思わず後退った。
ホントに真後ろに居たし!
だが、俺は後ろには
「うわっ!!」
皿を洗っていた
ガシャン!!
また皿が割れた……
俺はそんなどうでも良いことを思いながら目の前にいる金色の翼を持った神を凝視していた。
「うう〜……また割ってしまいました」
金色の翼を持っているということはSSSランク。
それが、なんでこんなところに!?
「ふえ〜……それにしてもどうかしたんですか?」
「あっ」
後ろから驚いたような声が聞こえる。
「断罪と執行の神、
こ、この人が!?
名前だけは非常に有名な神様。この人が執行部をしきり、そしてベランダにあるあの怪しいデザインの扉を作った張本人……
くすりと微笑むと
「あ、危ないです!!」
俺は慌てて止めようと手を伸ばしたが――
《汝に求めしは精製の姿》
その瞬間、
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
俺は反射的に皿を受け取ってお礼を言った。
「うわぁ、凄い! 今のって“復元”ですよね? こんな高度な神術始めてみました」
「そうですか? でも、この程度の神術なら
は?
「――今は無理でしたね……」
いきなり前言撤回した。
どういうことだ?
「僕の家で勝手に神術使う愚者は誰だ!」
ばさりと翼の羽音を響かせながら凄い勢いで
――が、原因の人物を見て
「
「
「久しぶり〜、いきなりどうしたの?」
「
な、なんて事を……
「ふふふ、余計なお世話だ」
だが思っていたようにはならなかった。
「
それを聞いた
「
ねぇ〜と笑い合う二人。
しかも、
「
は? いきなり何を言い出すんだこの人は――
「いいよ」
だが、
「……あの、お仕事は?」
「わかってないですねぇ。偶にサボりたくなる時があるんですよ」
いきなり現れた神格高い神は堂々とサボり宣言をした。
「これからしばらくの間、よろしくお願いしますね」
……厄介事が増えたようだ。