神にはランクがある。
 最下位がCランク。
 黒い翼を持っている教学部の各学科を卒業した新人の神がなるものだ。
 千歳以上でBランク試験が受けられるので大抵は二千歳になるまでには皆Bランクになる。
 次はBランク。
 俺はこのランクで紫色の翼だ。
 五千歳以上でAランク試験が受けられる。当然、六千歳になるまでにはほとんどの神は受かる……
 Aランク。
 青色の翼を持つ神だが、あまり身近にいないな。
 俺はとっくにこのランクになっていなければならない。
 そのため毎日碧風(ヘキフ)様の鬼畜な特訓が続いている。
 好意で教えてくれているため何も言えない。
 白雲(シユク)さんもああ見えて頭はとても良く、わかりやすーく教えてくれる。
 蒼氷(ソウヒ)も専門的な事を割りと容赦なく教えてくれる。
 これで来年受からなかったら怖い物がある。
 一万歳以上でSランク試験が受けられる。
 Sランク。
 白雲(シユク)さんがこのランクで水色の翼を持っている。
 三万歳以上でSSランク試験が受けられるので白雲(シユク)さんも二千年ほど経てば昇格試験を受けるはずだ。
 当然、俺と違ってドジだが優秀な神である白雲(シユク)さんは軽く受かるだろう。
 それは今まで講義を受けて十分わかっている。
 SSランク。
 銀色の翼を持つ神で、たくさんいる。
 紫闇(シアン)様や黒穢(クロエ)様などはこのランクだ。
 実質的な最高ランクで大抵の神はここまでしか昇格しない。
 五万歳以上でSSSランクの試験を受けられるが、受けることのできる神は稀。
 SSSランク。
 最高ランクの神で金色の翼をもっている。
 SSSランクの神になるためには生まれながらに持つ資質に左右されるため、なれる者は少ない。
 夜曇(ヤクモ)襲撃前にはそれなりの数がいたSSSランクの神も今やたった四人しかいない。
 その内の三人はここにいる。
 これって、かなり凄いことだよな……
「何黄昏てるの?」
蒼氷(ソウヒ)
 手にワインを持っている。
「いや、この館……SSSランクの神の密度が高いなって――」
「ああ……それは…………今のSSSランクってみんな僕の知り合いだから当然かな」
「全員?」
「うん」
 やはりこんなんでも蒼氷(ソウヒ)は偉い神のようだ。
「そうそう、白雲(シユク)もなれるんだよ」
「なれる?」
「SSS」
「え?」
白雲(シユク)ってドジだけど才能はあるからね」
 そう爆弾発言をして蒼氷(ソウヒ)は去っていった。
 何だか……泣けて来た――