
「また地獄で何かあったのか」
そう言いながら新聞を読んでいる
「へぇ、何か暴れているんですか?」
「そうみたい」
「相変わらず物騒ですね」
「だねぇ」
物騒だという地獄に比べてここは至って平和だ。
何かあるわけでもない。
まぁ、平和に越したことはない。
厄介事は御免だ。
そう思っても何故か厄介事はやってきたりするものなのだが……
「
……
この識者の館では俺の意志などないに等しいため、見に行ってこいと言われればそれまでだ。
「う〜ん……」
それを聞いた
「気になる。ちょっと気になる」
……珍しい。
でも、それって――
「朝食終わったら制裁部にゴー!」
…………やっぱり。
「
「うん」
こうなったら誰にも止められない。
……いや、むしろ誰も止める気がないのが悲しいところだ。
――と、いうわけで制裁部にやって来た。
「暴れているのは咎人だな。言葉によって扇動してるみたいで――」
そう渋い顔をしながら
「珍しいタイプだね」
「そうなんですよ。そしてとても厄介なんです」
「そんなに?」
「ああ、まさに暴動といった感じで……
そう言っているうちに重厚な扉の前に着いた。
「これは地獄の門。中は咎人に罰を与えるための施設だ」
「私達は平気でもちょっと
「じゃあボクが結界を張ります」
そう言って俺に手をかざす
「
「まだ人一人分がやっとですけど」
そうはいうがそれは凄いことだ。
そういえば、
これくらい出来て当然なのか……
「はい。できました」
「よし、じゃあ扉開けるぞー」
扉が開いた瞬間、淀んだ空気が身体に纏わりつく。
あまり気分の良いものではない。
そして、その中を颯爽と
どこに行けばいいのかわかってるのか?
そんな俺の疑問は発せられることはなかった。