
扉の奥に入ってから
それに何も言わずについて行く
……何故?
「
「え?」
俺が疑問に思っていたのに気付いたのか、
「もうじき
真剣な
ここは……そんなに危険な場所なのか……
そういえば……以前
それに、制裁の扉が開いた時も大変だった。
それを思えば、確かに大変危険な場所なのだろう。
そうしてしばらく歩いていると、どんどん酷い状態になっていった。
「結界張ってあっても気分が――」
「平気ですか? 大丈夫、ではないですよね」
「ええい! 忌々しい屑どもめっ!!!」
凄まじい怒号が聞こえていた。
あれは間違いなく
「酷いね〜、これは」
「む?
「うん。で、状況は?」
「見れば解るじゃろう? 邪気がましていつも以上に忌々しいことになっておる」
「ここで暴動を起こした咎人は咎の燭台行きに決定だしな」
たくさんの鬼神たちが魂を抑え込むために術を使っているようだが、数が多過ぎてどうにもならないようだ。
「あれ……なんか見たような顔が――」
「
「ん? ああ、あの、真ん中にいる――」
「扇動者のことか?」
あれが扇動者なのか……
「それにしても、なんで
心底意外そうな顔をしている。
「いやいやいや、俺だけじゃなくて、
「ええー!? 僕が!?」
言われてまじまじと扇動者を見つめる
「――会ったこと、ある?」
「以前制裁の扉から放り込んでた人間だよ」
それを聞いた
「ああ、そんなこともあったね」
本当に覚えていなかったようだ。
「じゃあ、もしかして、これって僕にも原因の一端はあるわけ?」
凄まじく嫌そうな顔をした。
「悪いとはいわないが、若干接点が出来たの」
そして深々と溜め息を吐く。
「しかたないなぁ……じゃあ、ちょっと鎮めてあげる」
「ええー!?
それに驚いたのは
「うん。本気。僕は冗談は言わないよ」
「そ、それは知って――」
頷きかけて、はっとしたようにぶんぶんと首を振る。
「違う違う。そうじゃなくて、今の状態で浄化の光≠使う気じゃ――」
「使うよ」
「無理です! そんなことをすれば――」
「だから
「私? でも私は浄化の光≠ヘ使え――」
「神力を僕に貸して」
ぴたりと
「――それ、今の
「僕は……私はこれでもかつて、断罪と執行の神を務めた者……そこまで落ちぶれたつもりはありません」
圧倒された……
たまに見せる圧倒的な威圧感――
それは、間違いなく、本来、知識と生命の神と呼ばれている
有無も言わせぬ威圧感……
「そうですね……そうでした。使って、
「ありがとう」
そう言って
残されたのは、苦しがる咎人だけ――
それを補縛するように命令する
力を使った
それを支えるだけの力は
「さすがは、最高ランクの神……これほどの浄化能力はわらわには出せない」
そんな言葉を聞きながら、俺は見てみたいと思った。
かつて、断罪と執行の神と呼ばれたあの人を――