最近、蒼氷(ソウヒ)の体調が良くない。
 フラフラしていたりする。
蒼氷(ソウヒ)、大丈夫か?」
 とても大丈夫そうにはみえないが、そう尋ねてみる。

「――平気」

 明らかに悪い顔色。
 それでも蒼氷(ソウヒ)はそう告げた。
蒼氷(ソウヒ)……」
「本当に大丈夫……」
「でも――」
 フラリとよろけた蒼氷(ソウヒ)を支える。
「昔はこんなの良くあったことだから」
 そう言った蒼氷(ソウヒ)はとても儚い表情をしていた。
夜曇(ヤクモ)を封印したばかりの頃は、こんなのしょっちゅうだった」
 だから大丈夫だというのか?
 でも……つい最近までは元気だった。
 普通に喋って行動できた。

 こんなに具合の悪そうな蒼氷(ソウヒ)を見るのはここに来てから初めてだ。

「ごめ……少し…………休む――」
「そうした方が良い」
 俺は蒼氷(ソウヒ)を連れて寝室に向かった。
 寝室につくと、すぐに眠ってしまった。

 パタン。

 寝室の扉を静かに閉め、部屋を後にした。
 そして、暗い表情の碧風(ヘキフ)様に会った。
碧風(ヘキフ)様、蒼氷(ソウヒ)は……蒼氷(ソウヒ)様は大丈夫なんですか?」
「…………それは――」
「確かに、あの方は封印のせいで弱っているのかもしれない……でも! 最近まで元気だった。そうでしょう?!」
「……そう、だね……」
「突然あんなに……あんなに元気がなくなるなんて事……あるんですか!?」
「それ、は――」
碧風(ヘキフ)様……そう……ひ……様…………は――」

 考えたくない……
 考えたくなどない……

 このまま、蒼氷(ソウヒ)様に……何かあるなんて……
 そんなこと……
「へ……きふ…………様?」
 いきなり碧風(ヘキフ)様に抱き締められた……
「大丈夫です。蒼氷(ソウヒ)は……死んだりしません。だから――」

 それは、まるで自分に言い聞かせているように聞こえた……
 それでも……不安だけが…………………………過ぎる……――