
今日は
そのため、こんな不気味な所を歩いている。
そう……不気味だ……
だが、ここを通らないと今
「そ、
「ここ? ここがどうかしたの?」
両脇に燭台が灯っているこの廊下……
それだけなら何も怖いことはない。
だが、その炎は、ゆらゆらと、風もないのに揺れている。
そして――
「……ゥゥ…………ォォォ………………――」
なんか唸り声のようなものが聞こえてくる。
不気味以外の何ものでもない。
そんな思いを抱きながら前を向くと――
前の方で一つの燭台の炎が消えた。
ゴトリ……
炎が尽きた燭台の蝋燭は崩れ落ちるように床に落ちた。
よく見るとあちこちに崩れた蝋燭が落ちている。
そもそも何故この廊下にはこんなに燭台があるのだろうか?
基本的に照明は蝋燭など使わない。
明かりの神術が込められた水晶球を使う。
制裁部でもそうだったはずだ。
なのに――
「なんでこんなに燭台が?」
思わず口を吐いて出た疑問に答えてくれたのは
「これは咎の燭台です」
「咎の燭台?」
「はい。ここは制裁部です。罪深き魂に罰を与える場所です」
それは知っている。
「この燭台は罪を償う事を拒絶したものに与えられる罰です」
「罰?」
意味がわからない。
俺にはちょっと不気味な燭台にしか見えないが……
「この炎は魂そのものなんだよ」
なんとも物騒なことをあっさりと言った。
「たま……し、い?」
だが、言われたことがよくわからない。
「この炎は罪を償わなかった魂そのもの……この炎が尽きるということは魂の消滅と同義」
それってまさか……
「そう。罪を償う意志のない愚者は魂の消滅という幕を下ろすんだよ。ここで、ね」
唸り声が、聞こえる。
それは……罪人の……――
「こんな姿にされても意識はあるらしいよ? だから未練がましく唸ってる」
鬱陶しいとキッパリと言い捨てる。
前から思っていたことだけど、
昔、何かあったのか?
「ここは断罪の廊下と呼ばれています」
「断罪の廊下……」
「ここの燭台は警務官が管理してるけど魂の炎を灯した蝋燭を運んでくるのは鬼神だよ」
そうなのか……
罪を償わない魂の扱いを知った。