
今日は転生部に来ている。
それにしても……
「綺麗な場所だな……」
水が多く、空気も綺麗だ。
「お待たせしました」
そう言って現れたのは
「
言われるままに
本当に綺麗な場所だ。
「水が多いな……」
「それは当然です。ここは転生部ですから」
何が当然なのだろうか?
「転生部では天神たちが浄化の水で魂を清めているんです」
「浄化の水?」
「はい。人間は前世のことを覚えていることはありません。それはどんなに転生しても変わらない事実です」
「そうだな」
「でもそれはワタシたちの仕事があってこそです」
そう言えば……ここで魂の浄化してるって……
「この浄化の水で生前の記憶を綺麗に洗い流すんです」
「この水で?」
「はい。そうです」
この廊下の両脇には水が流れている。
その水は魂の記憶を洗い流す力があるという。
「でもワタシたち神には全く効かないので大丈夫ですよ」
ああ確かに……自分たちにも効いてしまったら浄化作業が出来ないだろう。
「浄化の終了した魂はしばらく保管し、順番が来たら転生させるための作業に移ります」
魂を運ぶだけの葬送部より大変そうだ。
「魂を送りだすのもワタシたちの仕事の内です」
そう言えば
葬送部は基本的に一つの仕事しかしていないから総合的な人数は少ないと。
他の部署は複数の仕事があるから人数も多いし施設もたくさんあると……
葬送部は魂を運ぶけどその魂はすぐに執行部に運ばれるからな……
はっきりいって広くはない。
だが、他の部署を歩いて思う。
転生部や制裁部は広い。
執行部にはまだ行ったことがないから分からないが……
「空気が綺麗だ」
「それも魂を浄化するためには必要なことですから」
水音の響く清浄な空気の立ち込める廊下を歩いていると、心が軽くなるようだ。
ここにいると優しくなれそうだと、思う。
それとも、優しい人だからこそ、転生部で働けるのだろうか?
俺は