少しずつ明るくなっていく空――
 力を取り戻しつつある蒼氷(ソウヒ)
 そんな蒼氷(ソウヒ)の睡眠時間が最近、長い。
碧風(ヘキフ)様、最近蒼氷(ソウヒ)の睡眠時間が長いんだけど……平気なのか?」
 それを聞いた碧風(ヘキフ)様は笑っていた。
「大丈夫です」
 碧風(ヘキフ)様がそう言うなら大丈夫なのだろう。
「それに、昔はよくこうしてよく昼寝をしていました」
 蒼氷(ソウヒ)を見る。

 蒼氷(ソウヒ)はテラスにロッキングチェアを運び込んで寝ている。

 若干空色に近づき、少しだけ暖かい光が差し込むテラスで――
蒼氷(ソウヒ)は外で昼寝をするのが好きでしたから」
 日向ぼっこが好きなのだという。
 それは……今までの夜はさぞかし不満だっただろうと思う。
 一日中夜では、日向ぼっこなど出来ない。
 そして、蒼氷(ソウヒ)の体調では遠くに長い時間出かけられない。
 蒼氷(ソウヒ)がこうして日向を浴びれるのは本当に物凄く久しぶりのハズだ。
 ロッキングチェアに寝そべる蒼氷(ソウヒ)を懐かしそうに見つめる碧風(ヘキフ)様。
 もう少し、夜曇(ヤクモ)の呪いの影響が完全に消え去れば、もっと穏やかな場所で昼寝が出来るだろう。
蒼氷(ソウヒ)は力が回復してきています」
 碧風(ヘキフ)様?
「突然封印されていた力が戻ってきているので身体がついていけないんですよ」
 そういえば、急に身体も元に戻った。
 夜曇(ヤクモ)を倒してからずっとダルそうだ。
「だからそっとしておいてあげてください」

 蒼氷(ソウヒ)に今必要なのは睡眠時間のようだ。