
「平気〜?」
そう言ってくる
「大丈夫なら寝込んでいない」
「だよね」
俺が二回ぶっ倒れてから
これ以上あの料理(と呼べない)は食べられない。
その際、
もっと早く言って欲しかった。
――が、言ってくれただけマシだと思うことにした。
「はい」
そう言って
ご丁寧にナイフ付きだ。
だが、久しぶりのまともな食べ物だ。
お腹も空いている。
俺はありがたく頂戴することにした。
美味しい。
食べ物ってのは普通はこれだよな。
俺はしみじみと味わった。
あの料理を平然と食べられる
あれを料理と言える
体調が治ったら
俺の身が持たない。
「元気になったら掃除よろしくね」
鬼のような台詞だ。
「凄いことになってるから」
ホント、この人何もしないな。
今も静かなところをみると神術で騒音をカットしてくれているのだろうけど。
だが、
うん、頑張れる。
俺はそう思ってメロンを切った。
「それにしてもどうやったらあんなマーブル模様の料理が出来るんだ?」
「材料はいたって普通なんだけどね」
そうだ。確かにキッチンには俺の買ってきた食料と調味料しか置いていない。
どうやったらあんな……あんな……――
「本当にどうしてまったく毒性のないものからあんなに毒性の強いものが生まれるんだろうね」
……俺、よく生きてるよな。
しみじみとメロンを噛み締める。
蜜柑、林檎、苺、葡萄、桃、メロンと一通り食べて満足した俺はバスケットを
「何か飲みたいな」
「はい」
渡されたのは透明な液体。
飲んでみるとただの水だった。
確かに、俺は酒は飲めないから
――コンコン。
控えめなノックとともに
俺はちょっと身構えた。
冷や汗が出る。
だが、
「食欲がないとおっしゃっていたので、飲み物にしました」
そう言って手渡されたのはごく普通の色――琥珀色をした液体――をしていた。
「レモンティーです」
「ありがとう」
だから俺は安心してしまった。
それはちゃんと飲み物に見えたから――
「
カラン――
俺の意識は再び闇に落ちた。