
死神の仕事を終えて識者の館に帰って来た。
――が、なんだかテラスの方からおどろおどろしい空気が漏れているのは……気のせいだろうか?
少しテラスが気になったが、まあ、中にいる
そう軽い気持ちで帰った。
――が、暗い表情の
一体何があったというのか?
「あ、あの……一体何が――?」
こちらを向いた
「今、ね……
そして理解する。
ああ……
それならあのテラスの方から漂ってきた空気も理解できる。
「それは、以前にもありましたよね?」
何か問題が?
「大ありだよ」
わかってないなぁと言外に言われる。
「今の
「それは――」
元気だろう。
「
……………………
「それって……」
「だからいつも以上にエスカレートしててさぁ……」
見てくれば解ると背中を押された。
かなり、気は進まなかったが仕方がない。
意を決してテラスに向かった。
だが、笑顔がこんなに怖いものだとは思わなかった。
近づけないオーラが――
「いい加減に観念してください」
「嫌だね」
「アナタは知識と生命の神です。統括神をしていただきます」
「嫌だよ。面倒だもん」
「新しい部署も考えています」
「そんなのわざわざ創らないでよ」
「いえ、そういうわけにはいきません」
「いくよ」
「いきません」
そんな言葉の応酬を繰り返していた。
青い空の下で不毛な言い争い――
しかもあの場は極寒ブリザード状態だ。
二人の顔色が悪かったのも頷ける。