
体調が悪い時の
「平気〜?」
そう声をかけると恨めしそうな視線で言われる。
「大丈夫なら寝込んでいない」
「だよね」
僕は目覚めた
理由は、食欲がないから。
事実は言えなかったね。
そのおかげで取り敢えずまた倒れるような事態にはならなかった。
「はい」
果物とナイフを
言っておくが、これは僕が用意した何の変哲もない果物だ。
だから食べても大丈夫。
「元気になったら掃除よろしくね」
病人にこんなことを言うのはアレだが、しょうがない。
「凄いことになってるから」
すでに館の中は惨状だ。
「それにしてもどうやったらあんなマーブル模様の料理が出来るんだ?」
疑問に思ったのか、尋ねられた。
「材料はいたって普通なんだけどね」
変なモノは一切使っていない。
大体、材料を用意したのは
変なものであるはずがない。
「本当にどうしてまったく毒性のないものからあんなに毒性の強いものが生まれるんだろうね」
これだけは本当に原因不明なんだよね。
僕でさえあれの原因は理解できない。
一体何が原因であんな劇物が――
そう思っていると果物を返された。
食べ終わったようだ。
「何か飲みたいな」
「はい」
僕は間髪いれずに水を渡した。
飲めれば水じゃなくてコレ、渡したのに――
そう思っていると、ノックが聞こえた。
――コンコン。
「どうぞ」
返事をすると控え目に扉が開き
手に持っているのはティーポット。
まさか――
「食欲がないとおっしゃっていたので、飲み物にしました」
やっぱり……
まずいなぁ……
「レモンティーです」
「ありがとう」
そう思っている間にも会話は進んでいく。
見た目はごく正常なそれに
故に、安心したような表情でそれを口につけた。
「
カラン……
カップが床に落ちる。
あちゃー。
間に合わなかった。
「え? ひ、
おろおろする
それを見て思わず溜め息が出た。
そうは思ったが、見た目が正常なのだから仕方がないのかとも思う。
「
「は、はい」
「
「え?」
僕と
「じゃあ、お願いします」
「うん」
部屋を去っていく
これは、僕の説明が悪かったのか?